僕らはカンボジアでお仕事をさせて頂いている。その気持ちは絶対忘れちゃいけない。

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現在トリップアドバイザーのシェムリアップ州レストラン部門1位であるFresh Fruit Factory。
練乳やパームシュガーなどを用いた”アイスマウンテン”が看板メニューで世界中から観光客がここに立ち寄ります。
パートナーのフミさん・カンボジア人スタッフと共にこの超人気カフェを経営している高橋宏和さんに日本とはまるで違った環境・価値観をもつカンボジア人と働く上で大切なことについてインタビューさせて頂きました。

 

 

ーこちらのカフェをオープンしてからどのくらいの期間でトリップアドバイザーで1位になられたんですか?

1位になったのはオープンしてから8か月後です。オープンしたての頃はお客さんもあまり来なくてかなり苦しい時期でした。

 

ー苦労する時期もあったんですね。そういった時期を乗り越えた秘訣などはあるんですか?

別に何か特別なことをしてトリップアドバイザーで1位になったということは全くありません。来て頂いたお客さんから評価を書き込んでもらってコツコツと順位を上げていきました。必ずやっていることはお店がどれだけ忙しいときでも、お客さんが帰るときは絶対妻のフミと二人で見送りに行きます。

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ーお店の壁一面ぎっしりと詰まったメッセージすごいですね。なんだか未知なるパワーを感じます。

すごいでしょこれ。各々の思いを自由に来てくれたお客さんに書いてもらってます。僕たちがやっているのはもちろんレストラン業ではありますが、同時に”旅行業”であるとも思っています。フレッシュフルーツファクトリーに来たらこれが見れる!これが食べれる!そういったものを来てくれる人全員に感じて頂きたいんです。

 

ー一緒に働いているカンボジア人スタッフはどんな方なんですか?

うちには女性のキッチンスタッフが2人います。大家族が多いカンボジアでは、元々女性が大人数分の料理を食事を作るという習慣があります。そういった背景から、2人ともとても作業が速くて日本人以上の技術を持っていると思います。

 

ー日本人以上はかなりすごいですね。キッチン内ではどのようにコミュニケーションを取ってるんですか?

すべてクメール語で取っています。2人のうち片方のスタッフしか日本語を話せないし片方のスタッフしか英語を話せません。それじゃ彼女らにとって不便ですし効率も悪くなっちゃうからね。

 

ー間違いないです。先ほどキッチンにお邪魔した時にはクメール語が飛び交っていましたもんね。

妻のフミはクメール語がかなり上手です。もちろん最初から話せたわけではありません。クメール語を勉強し、僕たち自らカンボジアに近づくことでスタッフともしっかり連携が取れています。

 

ーカンボジア人スタッフが働きやすいように何か工夫されているところはありますか?

”新メニューを作らずメニューの変更をしない”というところです。これはもちろん今うちにあるメニューをトリップアドバイザーから求めて来るお客さんの為でもあるけど、同時にカンボジア人スタッフの為にもなっているんです。少ないメニュー・同じメニューを何回も何回も作ることによって料理のクオリティーも上がっていく。お客さんに料理を出す前は必ず毎回フミがチェックして味が全くブレないようにする。そうやって彼女たちの潜在能力をもっと引き出してあげることが大切だと思っています。

 

ーなるほど。一緒に試行錯誤していくことによって技術をどんどん上げてるんですね。

僕はまだカンボジア人としか仕事をしたことがないんだけれでも、まずはその人としっかり向き合うことが大切です。その国の文化・生きてきた環境・歴史を知ることから始めないといけない。何でカンボジア人は計算ができない?何でカンボジア人はルーズでマイペース?そういった違いの理解こそが一緒に気持ちよく働ける環境づくりに繫がっていくと思います。

 

ー確かに。みんな気持ちよく働いた方が楽しいし何よりお客さんから見た雰囲気もかなり変わってきますよね。

働きやすい環境を作りつつ、ダメなものはダメとちゃんと教えてあげる。単に頭ごなしに言うのではなく”何で”ダメなのかをきちんと説明してあげる。先進国と途上国とかいうレベルの区分けではなく、”僕らはカンボジアでお仕事をさせて頂いている”と考えてちゃんとカンボジア人・カンボジアを尊重していくことが一番大切なんだと思います。

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※Fresh Fruit Factoryの皆さん。取材当時は2名でしたが、2017年5月現在はカンボジア人スタッフは4名に増えています。カンボジア人,カンボジアと共にこれから更なる進化を遂げていくでしょう。

以上がFresh Fruit Factory高橋宏和さんへのインタビューでした。

終わりに
”異文化の人と一緒に働く”ということは簡単なことではありません。日本式のワークスタイルなんか通用しない場合がほとんどです。そういった状況下でも自分から相手にしっかりと向き合い尊重し、育ってきた環境をきちんと理解する。まずはそこがスタートなんだと、今回高橋宏和さんとのインタビューで改めて感じることができました。そんなみんなの愛が詰まったお店Fresh Fruit Factory。シェムリアップにお越しの際はぜひお立ち寄りください。

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※この日は”冷製カルボナーラ”を頂きました。細いパスタ麺がトロトロの黄身に絡んでとても美味しい。暑くて食欲が無い時でも進んで食べれてしまいます。

Fresh Fruit Factoryのトリップアドバイザーページはこちら!

営業時間・口コミなどFresh Fruit Factoryに関する情報をご覧いただけます。

ー高橋宏和さんについて

愛知県犬山市出身。大学卒業後は6年間靴と鞄を専門とした貿易会社で勤務。ヨーロッパ各地に出向き東京・大阪で展示会を開いて販売する輸入業務に携わる。その後は6年間山梨県でモモとブドウを作り農業を学ぶ。そこから飲食業に興味を持ち数々の飲食店でのマネジメント業務を経て2016年2月15日よりシェムリアップでFresh Fruit Factoryを経営。

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