熱帯の陽射し、子供たちの笑顔、モトドップおじさんたちからの味の素コール。シェムリアップの街には心をくすぐるものたちがたくさんある。次から次へとやってきて休ませてくれない。波状攻撃だ。暑さの中に人の暮らしがあり、ヤシの木陰に人の生き様がある。

それでもやっぱりシェムリアップといえば遺跡である。そこに遺跡があることが、この町に人を呼び寄せ、この町の異様な熱量を生む原動力になっている。

遺跡はいい。まず大きい。雄大で壮大だ。そして静かで、力に満ちている。

1000年という大きな歴史をその身に背負った遺跡がごろごろしている。それがこのカンボジアの、シェムリアップの醍醐味だ。

そんな遺跡たちを楽しむにはいろいろな方法がある。

遺跡の周りの草の上(あくまで草の上)を駆け回るのもいい。遺跡を背景にわいわい写真を撮るのもいい。水辺でピクニックをしながらじっくり時間を過ごすのもいい。そして、周りの人たちの喧騒から離れて、一人で遺跡とサシで向き合ってみるのもいい。自分がなんとなくいいなと思った遺跡の、なんとなくいい感じの石の上に軽く(あくまで軽く)腰かけて、なんとなく遺跡に心を寄せてみる。なんでこんなに大きな建物を創ったんだろう?どうやって創った?なんで全部石造り?当時はここに誰が来て、何をやってたんだろう?そもそも遺跡ってなんのため?浮かんでくる取り留めもない、たいしたことない質問の数々を聞くともなしに遺跡に向けてみる。遺跡は直接答えない。今の人々へ語る言葉を持たない。でもおそらく、聞かれるのはきらいじゃない。なんとなくの問いを投げてみると、なんとなく、ひらめく瞬間がある。こういうことだったのかな、と勝手に納得することもある。そういうなんとなく沁みてくるものが、遺跡の答えなのかもしれない。

1000年以上の時間の隔たりを持つ、私たちと遺跡たち。時代も言葉も表現の方法も変わってしまってすぐには理解しあえない。だから研究者やガイドさんたち「読み解き、伝える」人たちがいる。その一方で、ある一人の人間が、「なんとなく」根拠なく遺跡と心を通わせてみる。そういう遺跡の楽しみ方も、きっとあっていい。  10714687_817251328318133_437618035_n

 

「遺跡と人のいい関係」をカンボジアの遺跡を舞台に構築するため、ツアーデザイン、遺跡案内、地域応援事業など、「遺跡にまつわるあらゆること」を仕事に。本拠地はサンボー・プレイ・クック遺跡群。

 

Napura-Works(ナプラワークス)

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