カンボジアの宗教観

現在カンボジアの国教は上座部仏教(小乗仏教)と定められている。90%以上のクメール人が上座部仏教の教徒であるが、宗教の自由が認められているため、イスラム教、キリスト教、その他独自の宗教の信仰していることもある。これに加え、仏教伝来以前から信仰されているアニミズム(自然界それぞれのものに固有の霊が宿るという考え)も国の暮らしに深く根付いている。
さらには都心部を中心に中華系カンボジア人が多い為、中華式の仏壇を置く店や家庭も少なくない。
地方などでは同じ仏教を信じていても信仰や習わしが変化することもある。

歴史を辿ればクメール王朝時代はヒンドゥー教を主に信仰していたため、遺跡内では多くのインド神話などのレリーフが残る。しかしジャヤバルマン7世が仏教に帰依したため、アンコールトムなどは観世音菩薩がモチーフとされる。

その他、市内では小さな家の形をした飾りを販売している自転車を見ることができる。この飾りは家や店先などに飾られ、その中に小さな小人の精が住むといわれる。その精を見ることができる人は、みつけたら飴などのお菓子を供える。そのままほうっておくと、家の子供が泣き止まなくなったり、病気になったりしてしまうと言われる。

 
総合してみるとご先祖様を敬い、上座部仏教、ヒンドゥー教が混ざり合い、そして日常の生活に感謝をすることが多い。個人的な意見をしては日本と同じような宗教観念があるのではないかと感じる。


上座部仏教の僧侶たち

寺院ではオレンジ色の袈裟を身にまとった僧侶が多く、日々修行や勉学、托鉢などに励んでいる。
上座部仏教では5つの戒律があり、不殺生(生き物を殺さない)、不邪淫(淫らな情事をしないこと)、不妄語(嘘をつかないこと)、不飲酒(酒を飲まないこと)、不偸盗(盗みをしないこと)を守っている。その他、正午以降の食事を摂ることは禁じらたり、喫煙なども原則厳禁。それらは各寺院によって戒律が異なる。上座部仏教では出家して功徳を積んだ者だけが救われるとし、輪廻の思想が重視され、生まれかわりを願い功徳を積む。

出家は男性であれば何歳でも可能。出家時には髪と眉を剃る。女性は出家出来ず、修行者(ドンチー)として務めることができる。出家してからは300ページあまりのお経を覚えることから始まり、日々の修行に励むこととなる。一生をその寺で過ごす者もいれば、各寺を短期滞在し転々と巡る僧侶もいる。

観光客や一般人への注意点として
・女性は僧侶の体に触れてはならない。(積んだ徳がなくなってしまうため)
・本堂にあがるときは靴を脱ぎ、脱帽する。
・露出の多い服は控え、参拝相応の服装、心持ちでお参りすること。

などがある。寺院だけではなく遺跡も信仰の場となっているため、訪れる際は失礼のないように心がけたい。