日本やヨーロッパだけがサッカーの舞台ではない。急成長中のサッカーリーグが世界にはたくさんある。

法政大学サッカー部を卒業後、すぐにカンボジアのシェムリアップにあるプロサッカーチーム「ANGKOR TIGER FC」に入団した林遼太(りょうた)選手。現在、23歳。ポジションはDF(ディフェンダー)。背番号は5。得意なプレーはヘディング。

カンボジアでサッカー選手としてやっていくとはどういうことなのか、聞いてみたいと思う。

初めにカンボジアリーグとANGKOR TIGER FCについての簡単な説明。

カンボジアリーグ…カンボジアのプロサッカーリーグ。カンボジアのサッカー連盟が運営しており、12チームが参加している。ANGKOR TIGER FCは、現在(9月10日時点)リーグ8位。

ANGKOR TIGER FC…2013年にカンボジア日系企業の母体となって設立した日系クラブ。2017年から本拠地をプノンペンからシェムリアップへ移転した。また、2018年からクラブ名を CAMBODIAN TIGER FC(カンボジアンタイガーFC)からANGKOR TIGER FC(アンコールタイガーFC)へ変更した。

~カンボジアへ来たきっかけ~

高校生の時から、「海外に住みたい」という夢があった。その思いは大学でサッカー部に入部しても続いた。4年生の時、1人でアンコールワットを旅をしてきた友人からの「いい街だった」という話をきっかけに訪れたカンボジア。自らコンタクトを取って2つのクラブの練習に参加し、最終的にANGKOR TIGER FCの契約を勝ち取った。カンボジアでプレーをすると周りに伝えると、「お前らしいな、似合ってるよ」と喜んでもらえたという。

~チーム内での責任感~

こうしてカンボジアでサッカーをすることになった林選手だが、決して順風満帆なプロ生活ではなかった。クラブはシーズン開幕から3連敗。
プロ1年目のルーキーではあるが、チームには年下の選手もたくさんいる。既にチームを引っ張っていかなければならない立ち位置だった。
それに加え、彼には別の立ち位置もあった。
「他のチームは外国人たちが活躍している状況の中、勝てないのは外国人として来ている自分にも責任があるということをすごく感じました。」
こうした状況の中、チームは危機感を元に一体感を高め、開幕から4試合目でようやく格上チーム相手に勝利。
外国人選手として、チームを引っ張っていく責任感がより一層強くなった出来事だった。

~現地の人たちとの交流~

設備や、練習環境、観客数、サッカーのレベルは、確かにカンボジアは日本より劣るかもしれない。
しかし、カンボジアでしか経験できないようなこともたくさんあるという。
ANGKOR TIGER FCでは、チームを宣伝するためにパブストリートでのイベントや、スポンサーの店で1日店長。スポンサーとサッカーを一緒にやるといった活動が行われている。
「普通のサッカー選手だったら出来ないような、いろいろな経験をさせてもらっている。ほんとに感謝しています。」
また、クラブは「1 Child 1 Ball Project」という活動にも精力的だ。カンボジアの子供たちに夢や希望を与えるため、更にはカンボジアのサッカー普及やレベルアップのために、「カンボジアの子供1人1人に1個ずつサッカーボールをプレゼントする」というものだ。
「孤児院とか、小学校へ子ども達にボールを配りにいっています。そういうことって日本にいたら絶対に出来ない。子ども達と触れ合うことで、僕もすごく純粋になれるというか、初心に帰った気持ちになります。」
クラブの活動を通し、カンボジアの文化や人々と触れ合うことで、サッカー選手としても人間としても成長している。



~今後の目標~

最後に、今後の目標や夢について語ってもらった。
「最初は東南アジアを何か所か行きたいと思ってたんですが、だんだん全世界に行きたいなっていう目標に変わってきました。いろんな大陸にサッカーをしに行きたい。いろんな国でサッカーをして、いろんな経験がしたい。旅をしたいっていうのは1つあるので、旅とサッカーを絡めて、いろんな国にいけたらというのがあります。」
1人でカンボジアに渡って選手として活躍しながら、現地の人たちの交流も大切にしている林選手。
サッカーを通じて世界中を旅する姿に今後も目が離せません。

林遼太選手を応援しに、そしてANGKOR TIGER FCの試合を直接観にシェムリアップに来てみてくださいね。

・ANGKOR TIGER FCホームページ… http://angkor-tiger.com/
・シェムリアップスタジアムまでのアクセス… シェムリアップ市内からトゥクトゥクで25分

【取材・編集】くろまるインターン生:長澤諒子
法政大学在学。1997年生まれ。現在21歳。
大学では、学内向けフリーペーパーを制作するサークルに所属している。