【特集】お客さまがときめくものをつくりたい。

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認定NPO法人 かものはしプロジェクトよりコミュニティファクトリー事業が開始されたのは2008年、現在8年目となる。その中から洗練されたデザインとともに産声をあげた「SUSU」。様々な試行錯誤、そしてカンボジアの女性の未来に向けて。その想いとともに2月3日プレオープンに至った。

今回、SUSUセールスマネージャーの横山優里さんにSUSUへの想いを語っていただいた。

ーSUSU立ち上げの経緯についてお伺いいたします

現在シェムリアップの環境は以前と違い、変化し、どんどん成長しています。昔のように「メイドイン カンボジア」だけでは商品は売れず、質の良いものはもちろんデザインが良いものが増え求められるようになりました。選択肢が増えた中で、お客さまが「かわいい」もの、「ときめく」ものでないと商品が売れないという課題にぶつかっていました。自国に帰ったあともお気に入りのアイテムとしてお客さまに使ってもらえるものを作りたい。そう考えて団体内でもよく議論を重ねた結果、今までとは違うテイストで商品を作っていこうと新たにプロジェクトを立ち上げました。

また作り手である女の子の成長を考えたときに(*1)、ビジネスの現場でお客さまから認められる商品を作る。そういうプロセスを経て女の子たちが技術面でも内面でも成長し、大きな自信をつけていく。私たちはそういうことを信じています。

ー今回の素材は全てカンボジア産ですか

いぐさはもちろんカンボジア産ですが、他国から調達した素材も使用しています。カンボジアは資源の少ない国です。例えば糸一つにしても選択肢がなく、欲しい素材がなかったりします。100%カンボジア産にこだわり過ぎてデザイン性が落ちたり、品質が落ちるようなことがあるなら他国の質の良いものを取り入れる方が重要だと感じました。情報がない中、自分の足を使って、手探りですべていちから探しました。

ー品質にこだわっているということは末永く使えるものですよね。

そうですね。日本の基準を自分たちなりに調べ、同等の品質に近づけるように何度も試行錯誤をし、強度やデザインも含めてクオリティの高いものを出しています。

ーSUSUの由来はどんなものですか

日本のデザイナーさん(*2)と“かわいらしくて覚えやすい名前がいいね。それでいて、背景が伝わる名前がいいね。”と話していた時に、たまたまスタッフが「susuってカンボジア語で頑張ってって意味だよね。よくスタッフや女の子も言ってるよね」と、つぶやいたんです。その時にデザイナーさんが「それいいね!」と。そこからはすぐに決まり、ロゴなどもどんどん決まっていきました。

ー購入された方に伝えたい想いはありますか

まずは「デザインが良いかどうか、かわいいかどうか」ということを感じてもらいたいです。その上で、その一つのSUSU商品が出来上がるまでに何人もの女の子たちの手にふれられた「ハンドメイド」だと言うことを知ってほしいです。私たちは、ものづくりを通して女の子たちのライフスキルを磨き、自分の夢をつかむまでの過程をサポートしています。SUSUの商品を買ってくださることは、まわりまわって女の子たちの成長を応援することに繋がります。そうした背景を通して、買ってくださったお客さまにも商品を通して温かい気持ちになっていただければと思います。それが「SUSU」というブランドの名前に込めた想いでもあります。

ー今後の課題や展開などはありますか

目下の課題は商品開発です。そして、PRにも力を入れてまずは色んな方々にSUSUを知っていただきたいです。最終的にはシェムリアップを基点にそして周辺国にもショップが出せれば嬉しいです。

ー今後が楽しみです。SUSUのデザイン、私もときめきました。今回の取材を通して、さらにブランドの理解を深めることが出来ました。本日は本当にありがとうございました。

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*1 認定NPO法人 かものはしプロジェクト コミュニティファクトリー事業は2008年にカンボジアシェムリアップ州ソトニコム地区にて、農村の女性たちを雇用しいぐさを使用したハンドメイドの雑貨を作る工房を開始。ものづくりを通した女性へのエンパワメントをおこない、ライフスキルの成長をはかっている。

*2  Design for Asia Awardなどの数々の賞を受賞している NOSIGNER。ソーシャルイノベーションを理念としたデザインファーム。災害時に役立つデザインを共有する「OLIVE PROJECT」をはじめとした社会に意義のあるイノベーションを生み出している。代表は太刀川瑛弼氏。グラフィック、プロダクト、建築など様々なデザインを相乗的に使った戦略を手がけるデザインストラテジスト。(http://nosigner.com/ja/)ーかものはしホームページより引用

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お店に入ると一人ひとりに想いを伝えるメッセージカードが。

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バッグは白、紺、黒の3色。それぞれいぐさの色なども含めると7種類の展開だ。

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黒 小バッグ

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大きいサイズの持ち手は本革を使用。ノートパソコンも入るサイズで男性でも気軽に使えるデザイン。

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レディスサンダル

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サンダルには本革を使用。SUSUのロゴがかわいらしい。

洗練されたデザインとクオリティの高い商品。そしてそこに込められた工房で働くカンボジア人女性への想い。SUSUは今後のカンボジアの未来を考え、それらに向けて走り出したブランドだ。私たちの生活にカンボジアのトップデザインが加わる日もそう遠くはないだろう。

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SUSU

Open:13:00~21:00

Pari’s Alley,14 The-Lane Krong Siem Reap,63000 Cambodia

+855 93 633 866

www.susucambodia.com

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今回取材に応じてくださった横山優里さん。

横山優里(よこやま ゆり)

大学卒業後、素材メーカーに就職し、工場の生産管理として3年間勤務。
2013年よりファンドレイジング担当の社会人インターンとしてかものはしに参画。
現在は職員としてカンボジア駐在。

新ブランドSUSUの立ち上げを担当。商品開発やPR、店舗開発に携わる。

(write & Photography by MIKI KOBAYASHI)
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