【ロリュオス遺跡群】バコン&プリア・コー&ロレイ

遺跡

8世紀末から9世紀末にロリュオスと呼ばれる地域に築かれた遺跡群を指し、ロリュオス遺跡群を指す。
西暦802年、アンコール王朝初代の王ジャヤバルマン2世がクーレン山で独立を宣言、ロリュオス地域に王都ハリハラーラヤを制定した。後の王インドラバルマン1世が都を拡大、その際にバコンやプリア・コーなどの寺院が建設され、今日に残る。

 

Bakong (1)

【バコン】
9世紀末、インドラバルマン1世によって建立され、国家寺院としての役割を果たしたとされるのがバコンである。
アンコール時代初のピラミッド型寺院で、参道脇には蛇神ナーガの像が並ぶ。ピラミッドの基壇は5層からなり、かつては漆喰で覆われ、基壇を囲むようにレリーフが彫られてされており、一部には「戦いに臨む阿修羅」の彫刻が残されている。各基壇にの階段脇にはシンハ(ライオン)像が、下段の基壇角にはゾウの彫像が守護として配置されている。
頂上部の中央塔は12世紀に再建されたものであり、レンガ造りだったものから砂岩で作り直されたものである。

 

 

Preah Kho (4)

【プリア・コー】
ロリュオス遺跡群の中で最古の遺跡で、中央祠堂正面に3体の牛の彫像が置かれていることから、「プリア・コー(聖なる牛)」と呼ばれる。3体の牛はナンディンと呼ばれるシヴァ神の乗り物の役割を果たす白い雄牛である。
祠堂は3基の塔を二列に計6基のレンガ造りの塔によって構成され、それらの塔はインドラバルマン1世の祖先とその妻に捧げられたとされる。
非常に古い遺跡であるが、破風の部分など非常に複雑で細かい彫刻が美しく残っている。

 

 

Lolei2011DEC (127)

【ロレイ】
インドラバルマン1世が建設をしたバライ(貯水池)「インドラタターカ」の中央の島に、息子のヤショバルマン1世が建立したのがロレイであり、ロリュオス遺跡群の中では最後に建立されたヒンドゥー教寺院である。
バライの水は既に残されていないが、当時はバライの中心に寺院を建設することで寺院を「須弥山」として表す意味を持っていたとされる。
基壇上には4つの祠堂があり、それぞれ王の祖先に捧げられたものである。また、4つの祠堂が交差する中心にはリンガが置かれ各祠堂から砂岩でできた樋が十字に配置されている。このことから当時はこの樋に水が流れ、聖水を連想させる作りになっていたのではないかとされる。

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