【バンテアイ・クデイ】
タ・プローム南東に位置し、12世紀中ごろにジャヤバルマン7世によって建立された仏教寺院である。何世紀にもわたり、僧侶の生活する居住空間として使用されてきたことから、「僧房の砦」という意味を持つ。
上智大学調査チームが修復作業を行い、2001年3月に200体以上の石仏を発掘したことで知名度が格段に上がった遺跡である。尚、ここで発掘された石仏などはシェムリアップ市内のシハヌーク博物館に保管されている。
【タ・ケウ】
10世紀末、ジャヤバルマン5世によって建設が開始されたヒンドゥー教寺院。その後、王の死去によって未完成のまま放置されることとなったため、他の遺跡のような彫刻はほとんど残されていない。しかし、彫刻が施されないことにより当時の石材の積み方や建築方式の解明に役立つこととなった。
「タ・ケウ」の「タ」はおじいさんを意味するため、タ・ケウはケウおじいさんを意味する。
また、遺跡頂上までの階段は非常に急ではあるものの、中央塔からはアンコールワットの中央塔も遠望でき、地元民にとっては人気の夕日鑑賞スポットとなっている。
【トマノン】
アンコールトム勝利の門より東へ500メートルほどに位置し、12世紀後半にスーリヤバルマン2世によって建立されたヒンドゥー教寺院。道を挟んだ向かいにはチャウ・サイ・テヴォダがあり、同時期に対になって建立された。
破風や柱にはヒンドゥー教の神々や女神テヴァダーが細かく深く掘られているのが特徴である。
【チャウ・サイ・テヴォダ】
12世紀後半にスーリヤバルマン2世によってトマノンと対に建立されたヒンドゥー教寺院。
祠堂や建築様式はアンコールワットによく似ている。
【プラサット・クラヴァン】
赤みがかったレンガ造りの5つの塔堂が印象的な10世紀に建てられた小寺院である。「カルダモンの寺院」を意味する。
扉口には碑文が残されており、921年にヴィシュヌ神に捧げられたと記されている。
中央祠堂にはヴィシュヌ神の浮彫が全部で3面施されており、北側の塔にはヴィシュヌの妻ラクシュミーの浮彫がある。