【プノンペン】カンボジア総合研究所 CEO/チーフエコノミスト 鈴木 博(すずき ひろし)

関係する日本人

P22_Suzuki

円借款の専門家として

1982年から約30年間、ずっと日本の政府機関でODA円借款事業の仕事を行ってきた。最初は海外経済協力基金(開発途上国に必要な経済開発資金を供給するために設置された政府金融機関で1961年設立‐1999年に輸銀と統合)、次に国際協力銀行(上記の海外経済協力金と輸出入銀行を統合。1999年設立‐2008年)、そして国際協力機構(略称JICA。2008年から国際協力銀行の海外経済協力部門と旧JICAを統合)と名称は変わったものの三機関で円借款関連業務に従事してきた。勤務期間中に30数ヵ国を訪問し、そのうち4ヵ国(韓国3年、インド4年、ベトナム3年、そしてカンボジア)には長期で滞在した。

2007年、カンボジアに派遣された当時は国際協力銀行からであった。勤務期間は2年間であり、役職は上席顧問エコノミスト、派遣されてすぐに、キエット・チョン経済財政大臣から2つの指示を受けた。1つ目は日本からの円借款を増やす、2つ目が日本から民間投資を誘致してほしいということであった。

近隣諸国での発展形態を参考にすると、まずはインフラを整備し、次に投資環境を整備することによって、日本企業を誘致する形が開発の王道と見られている。カンボジアでも円借款により日本企業に必要なインフラを整備しつつ、日本企業にも働きかけ、カンボジアに進出してもらうという形が最も良いと考えた。

まず、円借款については、候補案件の準備や、優先すべき案件の選定の支援を行い、投資誘致については、カンボジアの投資セミナーを2年間で10回行った。当時、日本でもセミナーを行ったが、地雷は大丈夫ですか?といったレベルの質問ばかりであり、カンボジアをビジネスの場として本当に興味を持つ日本人はまだまだ少ない時代であった。そこで、バンコク、シンガポール、ホーチミンなどでもセミナーを実施し、既にアジアに進出している日本企業への働きかけを行った。うまく行き始めたと思った矢先、2008年の秋にリーマンショックが起き、日本からの投資の足は止まってしまった。

 

 

再びのカンボジア。サラリーマン時代と現在の仕事

 

アジア諸国の成功を追体験するカンボジア経済

(こちらの記事は書籍版でご紹介しております)

 

 

カンボジアの今後とチャンス

日本からの投資がアジアの多くの国々での経済開発の成功要因となってきました。そこで、カンボジアにも日本からぜひ投資をしていただきたいと思います。これが日本企業とカンボジアの発展のウィンウィン関係に繋がるものと信じています。

民間の方にはカンボジアの良い所を見て頂いてそれに合わせた投資をして頂きたいと思います。当面は労働集約的なものが中心になるかもしれませんが、特に、自動車や電気機器の部品産業の方々に是非投資を検討して頂きたいと考えています。製造業だけでなく、サービス業も参入するタイミングとしてはちょうどいいと思います。

また、個人の方向けには、投資用のアイテムがそれほどあるわけではないのですが、これからチャンスがあるので、色々と見て頂ければと思います。日本に住みながら海外投資を行うという形もあると思います。中国やベトナムの株式、マレーシアの不動産などと同じような形での投資先として、カンボジアも今後一つの候補となると思います。カンボジアはオープンでフリーな経済ですから、日本からの投資が周辺国に比べてもやりやすいという有利な点もあり、興味を持って見ておいていただければと思います。

弊研究所としてもできる限り、ご協力させていただきたいと思います。

 

 


 

 

鈴木 博 (すずき ひろし) 

出身: 東京都銀座

学歴: 東京大学経済学部卒業

職業・業種:カンボジア総合研究所 CEO/チーフエコノミスト

座右の銘: 我ことにおいて後悔せず

趣味: 鉄道模型

カンボジア歴: 2007年より在住

ウェブサイト: http://blog.goo.ne.jp/economistphnompenh/

カンボジア総合研究所
カンボジアの発展と日本企業のWin-Win関係の構築を目指して、カンボジア経済情報をタイムリーに提供いたします。【カンボジア総合研究所】

100cambodiajapanese-ad

タイトルとURLをコピーしました