【住めばカンボジア】西本 貴紀さん

海外の医療現場で働ける機会があればすぐに挑戦したかった。

はじめてカンボジアに来たのはいつですか?
2020年12月3日です。仕事で来たのが初めてです。

実際に住み始めたのはいつ頃からですか?
2020年12月18日です。
ホテルで2週間の隔離生活を経てシェムリアップに来ました。

カンボジアに住むことになったきっかけは何ですか?
カンボジアに限らず、とにかく海外の医療現場で働ける機会があればすぐに挑戦したいと考えていました。
国内で医療の経験を積んだ今、日本の医療や看護を一度外側から見てみたいと思ったからです。
海外での病院の仕事や医療ボランティアを友人に相談したところ、当院の会長とお会いする運びとなり、その日にカンボジアの病院で働くことが決まりました。

前の仕事はどういったお仕事ですか?
大学を卒業してからずっと看護師をしています。
呼吸器科での仕事が長く、特に肺がん治療に関しては自分の専門として今も勉強を続けています。
新人から6年ほど名古屋の大きな病院で働き、1年間在宅ホスピスを経験した後に、神戸と諏訪(長野)の病院へ呼吸器武者修行に出ました。
その後カンボジアでの就任が決まったのですがコロナで海外渡航が厳しくすぐに行けず、当院と同系列病院の「こうのす共生病院」(埼玉県)で半年間ほど勤務いたしまいた。

今の仕事はどういったお仕事ですか?
カンボジア・シェムリアップにある、アンコール共生病院に従事しています。
業務としては、病院全体の管理と、職員の教育支援です。

今まで当院は日本・タイ・中国・韓国など他国の医師とともに、この病院を運営してきました。
今回のコロナや、また国の問題などがあると、他国の医師はカンボジアにいることが難しくなります。
当院は他国に依存しない、カンボジア人がカンボジアの為に運営できる病院を目指しています。
自分の役割はその指針に向かい、日々実直に取り組むことです。

どうしてその仕事をやろうと思ったのですか?
特に看護師を目指していたわけではありません。
大学で人と関わるような学部に進みたいと考え、教育学部か医学部かと思い医学部を選択しました。
看護学科のカリキュラムが意外に忙しく、他の職業を考える余裕もなく看護師になってしまいました。
ただ看護師という職業をやってみて、改めて自分に向いていたと思います。
自分で言うのもなんですが、人の為に何かをすることが自分にとっての喜びや充実に繋がるからです。

今の仕事での苦労話などはありますか?
今スタッフが取り組んでいる課題は、自ら必要なことを考えて自発的に行動することです。
特に医療現場では、医師や上司の指示を守るだけでは避けられないミスや事故がたくさんあります。
その場の状況に応じ、自分の考えで判断と行動することがとても重要です。
自分たちの国や病院に必要なことは何か、その為に自分はどう行動すべきか。
そういう視点がこのコロナ禍でより一層必要になりました。
多くの情報から適切な行動を自分で判断する力は「グローバルスタンダード」であり、カンボジアの人にも必ず必要だと思うので、そういう意味でもレベルアップできるようスタッフに関わっています。

病院の規則やルールを全て私が作ることは簡単ですし、きっとスタッフはしっかりと守って業務をしてくれると思います。
しかしそれでは私がいなくなった時に対応できず崩れてしまいます。
非常に困難な課題ですが、今は時間をかけながらみんなと一つ一つ作り上げている段階です。

言葉の問題もありますが、こちらは周りに助けてもらいながら、良いコミュニケーションが取れるよう工夫と努力の日々です。

カンボジアの生活はどうですか?
カンボジアに来て4ヶ月経ちましたが、体調を崩すことなく元気で過ごしています。
一番心配していた食べ物や水も問題ありませんでした。
カンボジアには魅力的な観光地や自然がたくさんあると知りましたが、今はコロナの影響で訪れることができません。
仲間と1日も早く体験できる日を楽しみにしています。
そして何より職場の人に毎日たくさん助けてもらっているので、とても感謝しています。

旅人に向けてメッセージをお願いします。
カンボジアを含め海外での医療費はとても高額です。
クレジットカードの付帯保険も条件が徐々に厳しくなっています。
渡航前には必ず、万が一の準備をすることをおススメします。


※ スタッフたち一人ひとりとコミュニケーションを取り、問題を見極め業務を進めています。

コロナ前とコロナ後で違うことは何ですか?
ちょうどコロナ禍にカンボジアに来たので、コロナ前のカンボジアの様子や当院の状況は聞いた話でしか知りません。
私にとっては今の街の様子がカンボジアの日常で、誰も居ないアンコールワットが当たり前になっています。
ただコロナの状況に関しては日本のちょうど一年前くらいかなという感覚があるので、これから日本とはどのように違う道を辿るのか、少し興味深く思っている部分もあります。

コロナの状況で気を付けていることは?
やはり自分がコロナに感染しないことも含めて、体調管理に一番気を遣っています。
看護師はまず自分が健康でなくてはならず、自分が心身共に健康だからこそ、周りの人の健康を全力でサポートできるという考えです。
あと自分と同じくらい病院スタッフの安全を守れるよう、今の自分にできることを常に考えています。

コロナの今どのような生活をしていますか?
元々インドアな生活スタイルの人間なので、日本でもカンボジアでも自粛生活はあまり苦になっていません。
基本的には家と職場の往復ですが、趣味がゲームなので早くシェムリアップにも光回線が普及することを心から願っています。

今後の展開はなんですか?
「カンボジアにはいつまでいるの?」とよく聞かれますが、「私にも分かりません。」と答えています。

個人的にはカンボジアの良い所を日本の看護に持ち帰り、日本の良い所をカンボジアに持ってくるというのが一つの大きな目的です。
カンボジアのスタッフは知識欲や勉強意欲、国や人の為に役立ちたいという思いが強く、これから多くの学びを吸収し大きく成長する力を感じます。
日本の医療現場には、最新の医療技術や優れた医療体制はあるものの、医療従事者たちが業務や責任、規則に追われ体も心も疲弊している現状があります。
日本とカンボジアの医療現場で交換留学のようなものがもっと気軽に出来れば、お互い気づくことがあり、両者間の抱えている問題を解決するためのきっかけになるのではないかと思います。

ただ今はカンボジアのことを私自身がもっと学び、現地のスタッフと協力してより良い病院を創り上げることに集中しています。
コロナの有無や観光客の増減に関わらず、時代の変化に柔軟に対応できる力強い病院を目指して、自分自身が成長しながら少しでも病院の力になれるよう頑張りたいと思います。

「カンボジア王国滞在記(仮)」
前職こうのす共生病院のHPでブログを書かせてもらっています。
日本のみなさんにカンボジアのリアルな情報や看護師としての感情をお伝えしたいと思っています。
不定期更新ではありますが、ぜひご覧ください。

Name:西本 貴紀 Yoshinori Nishimoto
Born: 岐阜県
Age: 32
Birthday:1988年5月27日
Work:アンコール共生病院
Angkor Japan Friendship International Hospital
座右の銘:正直に生きる
Tel:012-408-314 / 016-866-874
Mailangkorjapanhospital@gmail.com
Webhttp://ajfih.org/
※ コロナの中、特別にマスクを外してもらいました。