「現場で起きていることを自分の目で見たい!」という思いで、日本のスタッフを辞め現地へ飛び込みました
【SALASUSU / ソーシャルエンパワメント(教育)部門】
初めてカンボジアに来たのはいつですか?
2011年11月です。大学在学中にツアー旅行で母親と来ました。
アンコールワットなどを観光し楽しかったです。
しかしその後、まさかここに住んで働くことになるとは全く思っていませんでした。
カンボジアに住むことになったきっかけは?
今の前身の職場『NPO法人かものはしプロジェクト』日本事務所で働いてたことがきっかけです。
実際に住み始めたのはいつ頃からですか?
2018年7月です。
将来は何になろうと思ってましたか?
高校の頃から【国際協力】に関心があり、そのためには英語が必須だと考え、国際基督教大学(語学に強い大学)を選び進学しました。
また在学中に1年間イギリスのBradford大学に留学し、Peace Studies and International Development(平和学と国際開発)を専攻しました。
学べば学ぶほど、国際問題解決の道はかなり遠く、平和を実現するというのはものすごく困難であると感じました。
また、そんな中なんのスキルもない自分に何ができるのか、無力感でいっぱいになりました。
前の仕事はどういった仕事ですか?
国際協力に関心はあったものの今の自分が何か役に立つ、というのは難しいことを知り、新卒で海外に出ることよりもまずは日本でしっかりと経験を積みながら、その先を考えていきたいと思いました。
新卒で東京の人材育成・社員研修のコンサルティング会社に入社。
各企業への営業や、社員教育の講師をしました。
4年間全力で働いた後、やっぱり自分のやりたいことに挑戦してみたいと思い、国際協力関係の仕事を探しはじめました。
その中で、今の団体の母体となる『かものはしプロジェクト』の日本事務所に採用が決まりました。
そこでは、広報・ファンドレイジングスタッフ(寄付金調達)担当として、主にインターネットを使ったマーケティング業務をしていました。
今の仕事はどういったお仕事ですか?
シェムリアップから約1時間離れた農村(クチャ村)にある工房で、ものづくりをしながら「ひとづくり」に取り組んでいます。
最貧困層出身の彼女たちが自信やスキルを身につけ、自分らしく人生を歩んでいけるよう、さまざまなトレーニングやカウンセリングを考えています。
どうしてその仕事をやろうと思ったのですか?
かものはしの日本事務所で、現地のことをよく知らずに寄付を集める業務をしていることに、罪悪感のようなもやもやした気持ちを抱えていました。
実際集めたお金は、どのように使われているのか。現地の人たちはどんなことを考えているのか。
「現場で起きていることをしっかりと自分の目で見て知りたい!」という思いがどんどん強くなり、日本のスタッフを辞め、今の団体のインターンとして現地へ飛び込みました。
今の仕事での苦労話などはありますか?
最初の2年ぐらいは、とても苦しくもがいていました。
農村の女性たちが向き合う問題は非常に複雑・深刻で、解決が難しいことが多くあります。
こうすれば解決できるという正しい答えがあるわけではない。
しかし最初は「彼女たちを助けてあげないと、自分が良い答えを提案してあげないと」と思いこんでいました。
〈支援する側・される側〉という関係性に縛られていたように思います。
すぐに結果が出るはずもなく、何もできないという無力感に苛まれ焦っていました。
しかし、壮絶な人生を送りつつも、日々たくましく、笑顔で生きている彼女たちの姿をみて、徐々に考えが変わっていきました。
〈支援する側・される側〉ではなく、自分と彼女たちは対等であり、一人の人として心から尊敬しあえる関係でありたい。
だからこそ、私が何かをしてあげるのではなく、女性たちが本来持つ力を最大限引き出し、どうすればより良い人生を生きていけるのか。
答えはなくともどうすれば本人が納得できる意思決定を重ねていけるのか。
たくさん対話を重ね、とにかく真摯に向き合い切る。
ともに考え・悩み・寄り添うことが大切だと今は思っています。
カンボジアでの生活はどうですか?
3年経ってやっと本当の意味でカンボジアに慣れ、楽しく過ごせるようになりました。
最初の2年間は、自分の立ち位置や女性たちとの接し方に悩み続けたので。
当然ながら日本の生活と全く同じではないので不便に感じることもあります。
それ以上に、おおらかであたたかいカンボジアの人たちにいつも元気をもらっています。
コロナ前とコロナ後で違うことはどういうところですか?
この非日常な生活中、周りの人や仕事、自分自身を見つめなおし、つながりが強くなった気がします。
コロナ前は、仕事でも悩み続けていたこともあり、日々をこなすのでいっぱいでした。
コロナ後は、時間や気持ちにも余裕ができた分、SALASUSUの課題にじっくりと向き合ったり、いろんな人に会うようにもなりました。
自分自身のやりたいこともクリアになってきているように感じます。
コロナの状況で気を付けていることは?
まずは自分自身が感染対策をして感染しないようにしています。
また農村の人たちが過剰にコロナを恐れてしまわないよう、正しい知識を伝えるように心がけています。
そのために、まずは自分がきちんとコロナに対する理解を深めることを意識しています。
コロナの今どのような生活をしていますか?
人混みを避けたり積極的に外出することは控えていますが、もともと外出をするタイプでもなかったので、さほど変わらないです。
ただプノンペンや地方都市に訪れることがすごく好きだったので、今は自由に移動できないのが残念です。
今後の展開はなんですか?
3年たって、やっと自分なりの仕事の軸が持てるようになってきました。
引き続きじっくり農村の女性たちの成長と向き合っていきたいです。
『多くの人を雇用する』ではなく、『一人一人が楽しんで自分の人生を生きられるため』には何が必要なのか。工房でいろんな実験を重ねていきたいです。
あと個人的にはカンボジアと日本を行き来する2拠点生活にチャレンジしたいですね。
旅人に向けてメッセージをお願いします。
自分が背負っている肩書きや、価値観を横に置いてみてください。
まっさらな自分でカンボジアの人・土地・文化を思いきり感じ、楽しんでほしいです。
Name | 後藤 愛美 Manami Goto |
Born | 大阪府 大阪市 |
Age | 32 |
Birthday | 1989年1月2日 |
Work | SALASUSU |
Hobby | 韓国カルチャー全般。主にドラマ |
Spots | バスケットボール |
座右の銘 | It is not how much we do, but how much love we put in the doing. |
Tel | 099 331 121 |
manami@salasusu.com | |
FB | salasusufromcambodia |
WEB | https://salasusu.com/ |