心の健康は体の健康から。そんな日本時代
小学校の文集には福祉の仕事をやりたいと書いていた。中学に入学して少し経った頃、自分の精神面と体調面に不安定感を覚えるようになっていた。多感な時期でもあったのだろう、自分の周りにも同じような症状で悩んでいる人も多く、どうにか変わりたい、変えていきたいと思い始めていた。「心の健康は体の健康から」。どれだけ効果があるかは分からなかったが、そんな意識で栄養士を目指すことにした。調理科のある高校に進学し、卒業後は精神保健福祉士になるために福祉専門学校に通うことにした。
親からの仕送りはなく、学校に通うためには、夜間に働く必要があった。昼は学校で授業を受け、夜はキャバ嬢として働く生活、やっとの思いで資格を取得し卒業するも、その資格は活かされないまま、コンビニでアルバイトをする生活となった。
2009年、結婚し夫の実家に移り住んだ。自分の休みに合わせてほしいという夫のリクエストもあり、平日勤務の仕事を探した。高校時代に取得した調理師免許を活かし、学校給食を作る仕事が見つかった。求めていた仕事ではない。家庭と職場、両方から積もるストレスが溜まり始めていた。
翌年、離婚した。楽しいはずの結婚生活は1年程で終了した。結婚して自由がきかなくなったことが原因だと思っている。離婚という人生の転機、このタイミングで自分を変えたかった。自分が本当に好きなことを考え、アパレルの仕事を見つけ、店員として働きだした。様々な人と出会い、話をする仕事は本当に楽しかった。
カンボジアとの奇妙な出会い
再出発。さまざまなお客様との出会いと繋がり
(こちらの記事は書籍版でご紹介しております)
今後の挑戦と、メッセージ
様々な言葉が飛び交うカンボジアで働き、様々な人たちと話をしているうちに表現の大切さに気づきました。自分の事だけでなく、大事なことをきちんと表現し、きちんと伝えられる人間、そして相手が表現することをきちんと受けとれる人間、その重要性です。
カンボジアに再び来た目的は、いろんなことに挑戦したいと思ったからです。その中の一つに学問があります。日本では仕事と家庭とであまり余裕はなかったんですが、今は家庭教師をつけ、学校へも通っています。表現するという観点から、以前から興味を持っていた美術やデザインなども学びたいと思っています。
まだカンボジアに来たことがない方、是非来て下さい。カンボジアの魅力と言って良いのか分かりませんが、決まった場所に決まった物が無いけど、ふとした瞬間に見つけられたりすること、また不用品同士を組み合わせることで、新しい価値を生み出したりできること。日本では要らないと思っていた物が必要だと感じられる、そんな再発見もあり、いろんな意味で大切なものが見えてくるはずです。日本で探して見つからないものもカンボジアでは見つかるかもしれません。
星野 りん (ほしの りん)
出身: 埼玉県
学歴: 高校(食物調理科)卒業、専門学校(社会福祉科)卒業
職業・業種: 白い恋人(ラウンジ)アシスタントマネージャー、元モエパラ店長
座右の銘: 前進
趣味: ローカル市場を廻ること、人と話すこと
カンボジア歴: 2012年5月より在住