海外ボランティア
1992年8月、大学4年生の夏休みに初めてカンボジアに訪れた。NGO団体「JIRAC日本国際救援行動委員会(現JHP・学校をつくる会)」のボランティア隊員としてであった。
団体に入ったきっかけは1991年の湾岸戦争勃発後、「お金だけではなく人的貢献をしよう」という機運が日本で高まったことにあった。自らもその現場に行き、貢献できればという意識が強かったからである。
最初、クルド難民の救援サポート活動に行ったが、政府から追い帰された。同年12月にJIRACの代表がカンボジアの難民キャンプに入ったことから、難民をカンボジアに帰還させるプロジェクトをボランティアとして手伝うこととなった。毎日、千人近くの人々が出入りするレセプションセンターで、調理を手伝ったり、物資の積み下ろしや、書類の打ち込み作業などを行う日々であった。
その後、1993年の総選挙に向け、難民キャンプで生活していたカンボジア人たちを、それぞれの地元に帰すことが決定された。しかし、難民の多くは、実家に戻っても仕事、現金収入がなく、出来ればこの場所に留まりたいというのが現状であった。
今、彼らを自立させるには、仕事を作りだすことが必要だと感じた。そのために、自分ができることはカンボジアでの産業育成であり、それは地元にもともとある農作物だと考えた。そして、それを日本に輸出することで、安定した収入が得られるように出来ればと考え始めた。
日本での就職、そしてカンボジアビジネスの模索
結婚、そして転機
(こちらの記事は書籍版でご紹介しております)
カンボジアでの仕事、そして自分の挑戦
海外で働く場合、常にグローバルスタンダードを意識し、井の中の蛙とならない商品開発と品質、サービスを心掛けていくことが必要です。
また、その国に住む人々の生き方、やり方を尊重することが大切だと思っています。アジアの中でも特殊な日本人としての発想を、その国の人たちに押し付けず、彼らの考え方を理解し、価値観を共有していく。それを心掛けてやることがこの国でビジネスをしていく上で大事なことです。
自分たちのビジネスが成功例となることで、様々な日本人が、カンボジアで新しい産業を作ったり、挑戦できるきっかけとなれればいいと思っています。出来れば若い日本人が来て、カンボジア人と一緒にチャレンジしてほしいです。
今後、日本の学生だけでなく、カンボジアの若者たちにもいろんなチャンスを掴んでもらいたいと思っています。そして、それに合わせた講演などは積極的に参加したいと思っています。
倉田 浩伸 (くらた ひろのぶ)
出身: 三重県
学歴: 亜細亜大学経済学部経済学科卒業
職業・業種: KURATA PEPPER CO., Ltd.代表
座右の銘: 明日に悔いを残さない
趣味: 旅行
カンボジア歴: 1992年8月より在住
ウェブサイト: http://www.kuratapepper.com