日本での生活
保育士専門学校を卒業し、横須賀にある児童養護施設で4年間働いた。そして26歳で入籍した。夫はその施設の卒園生であった。大学に進学したいという夢を持っていた夫のため、自分が仕事をすることにした。保育士では学費が払えないこともあり施設での仕事を辞め、朝は喫茶店でウェイトレス、昼は文房具の配達、そして夜はスナックで働いた。三つの仕事を掛け持ちしていたが、時間の割には稼ぎは少なかった。そんな生活を1年程続けていたが、友人の紹介もあり、建築会社で積算の仕事が見つかった。バブル時代、それまでの仕事と較べると給料も良く、ずっと安定した生活となった。
1989年2月、29歳で新婚旅行に行くことになった。自分自身、人気の高かったハワイに行こうと考えていたが、夫の強い希望もあり目的地はカンボジア、タイ、ベトナム周遊となった。夫は大学を卒業し出版社で働きだしていた。ベトナム戦争やポルポト時代をもっと深く知るために、実際にそれらの国を訪れたかったのだ。
その当時、個人旅行でこれらの国に訪れる人はほとんどいなかった。新婚旅行であったが、全然知らない人たちと一緒に回る団体ツアーに参加した。日本帰国後、夫がその時の参加者の感想を纏めた小冊子を作っていた。自分たちの記念であり、参加した人たちとの記念としてであった。たまたまそれを見た旅行会社の社長から、「カンボジアの事をもっと知りたいのなら、現地で旅行業をやらないか」と声をかけられた。それがきっかけとなりカンボジアに住むこととなった。
カンボジアに移住。プノンペンで武力衝突、そして離婚
リセットからリスタート。行き場をなくした元スタッフたち
(こちらの記事は書籍版でご紹介しております)
今後のカンボジアと自分の挑戦
カンボジアに来て、悪かったことは一つもありません。良かったことは、カンボジア人と一緒に働くことで、いろんなことに自信がついたという事です。
今まで会社で仕事をやっていく上で、自分が前線に立ち仕事をやるようにしてきました。そうしないといけないとずっと思っていたんですが、最近やっと仕事を人に任せられるようになってきました。それは自分を支えてくれているスタッフが育ってきているからだと思っています。だから、今の自分の仕事はスタッフやガイドさんに「おはよう」「お疲れ様」と元気に声をかけることです。
カンボジアに住めば住むほど、家族の有難み、友人、仲間の大切さを感じます。
でも60歳になったらまた日本に戻って、同じ世代の施術師を集めて、もう一度サロンをやれればいいなと考えてます。昔、自分を後押ししてくれたお客様たちにもまた会いたいですしね。
世の中、一番大事なことは、人との繋がりだと思います。そのことをいつも意識して生きていきたいと思っています。
大塚 めぐみ(おおつか めぐみ)
出身: 神奈川県
学歴: 横浜高等教育専門学校卒業
職業・業種: PEACE IN TOUR ANGKOR代表
座右の銘: 人間万事塞翁が馬
趣味: ウォーキング
カンボジア歴: 1990年より在住
ウェブサイト: https://www.pitt.jp/