こんにちは!インターンシップ生の林です。
私は海外旅行に行くと、その国や地域の伝統的な料理を味わうと共に、その土地のお酒にも触れてみることが好きです。今回はカンボジアを訪れ、カンボジア独自のお酒をたくさん見てきました。その中でもカンボジアの伝統的な地酒である、「スラーソー」について興味を抱き調査してみることにしました!
スラーソーというのは、「スラー」はお酒、「ソー」が白いで、白いお酒という意味です。実際は白く濁った色ではなく、透明のお酒です。お米を材料とした蒸留酒で日本でいう米焼酎に似ています。
スラーソーは村の人たちが自らの手で作っていることを知り、人目みようとシェムリアップの街から約20分の場所にある、バコン村というところを訪ねてみました。
まず村に入った瞬間驚きが隠せませんでした。バナナやパパイヤがなるジャングルのようなところに家があるような状態で、豚や鳥などの動物と、小さい子供たちとその家族が共存しているのです。
そこに大きな窯を発見。近づいてみるとほんのりとお酒の香りがしました。この大きな窯を使ってどのようにスラーソーが作られているのでしょうか?
この写真の右の窯でお米が蒸されています。窯は、薪ではなく、米の糠で火をおこします。そして左の樽へと蒸留され、白いタンクの中にお酒となって出てきます。
1.お米はまずご飯を炊くのと同様に水を入れて蒸されます。
2.その後3日間蒸したものが2枚目の写真です。ご飯の状態であったものから煮詰まってとろみが出たような状態になります。
3.これを窯で煮詰めていき酒を作り出します。
残った米のカスは豚の餌となります。豚は美味しそうに食べていました。
村の人たちは出来立てのスラーソーとそれに合うおつまみを振る舞ってくれました。
スラーソーはアルコール40度のとても強いお酒です。私は恐る恐る飲んでみましたが、思ったよりも飲めてしまいました。お米の香りが強く、香ばしいような味がしました。
おつまみは蒸された豚肉と内臓です。
目の前に豚がいるのに豚を食べろと!?あり得ない!と思いましたが、リアルな現場だなと割り切って食べてみました。しかし、豚肉の旨みが強くてとても美味しく、おつまみに最適でした。
別の家庭では、スラーソーに漢方薬である木の樹液を入れて色を付けた、赤いお酒も見られました。
こちらは、先ほどのスラーソーよりは米の香りは弱く、漢方の香りがしました。
このチラリと映ってるおじちゃんは、もう飲めない…と、しぶる私に飲まないと10ドルだ!とジョークを言ってきました。飲むしかないと決意し、一緒に乾杯一気!
案の定顔が真っ赤になってしまいました。
よく見てください。このお兄さんの飲む量、驚きですよね。
この村でできたスラーソーは大きい樽に入れて村の店で売られます。そこからミネラルウォーターのペットボトルに入れ、500㎖で6000リエル(約1.5ドル)で販売されています。
村の人たちはこのように村で作られたスラーソーを、仕事終わりやご飯のときに飲みます。ジョークを言いながら飲むのが楽しいそうです。酔っぱらったら音楽を流してみんなで机の周りで踊ったりして楽しむのだといいます。
このスラーソーの文化は、実はアンコールトムのバイヨンの壁面彫刻にも描かれています。楽しくお酒を飲んでいる様子はたくさん刻まれていますが、特に印象的なのはこの場面です。右がアルコール中毒の父親で、左がお酒を止めてくれとお願いする息子の様子です。現在でも村ではアルコール中毒で働かずしてお酒を飲んでいる人もいるようです。
昔からスラーソーを飲んで楽しむ村の習慣は変わりなく存在しました。しかし現在では街の人たちに、スラーソーは貧しい人や田舎者が飲むものだと思われているようです。よって、スラーソーは田舎町のローカルな屋台でしかほとんど見ることができません。
興味のある方は村へ足を運び、温かい村の人たちとスラーソーで乾杯してみてはいかがですか?でも飲みすぎには注意ですよ!